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※受付は15分前終了★9:30~13:30(13:15最終受付)
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2025/05/03
「最近なんだか疲れやすい」
「動悸や微熱が続く」
そんな不調を感じて病院を受診した結果、バセドウ病と診断され、不安を抱える方は少なくありません。聞き慣れない病名であるうえ、長期にわたる治療が必要になると知り、心配になるのは当然のことです。バセドウ病は完治はするものの、個人差はありますが、治療期間が数カ月に及ぶことが多いです。
実際、当クリニックにも「日常生活はこれまで通りでいいのか」「運動や食事は何に気をつけるべきか」といったご相談が多く寄せられます。
バセドウ病は治療をしっかり続けることで回復が見込める疾患ですが、その経過をより良好にするためには、日常生活の中で避けるべき行動や気をつけるポイントを知っておくことがとても大切です。
本記事では、バセドウ病と診断されたばかりの方、治療中の方、そしてご家族の方にも役立つよう、日常生活において「やってはいけないこと」や「注意すべきこと」を医学的根拠に基づいて解説しています。
正しい知識と習慣で、治療を少しでもスムーズに進めていただき、1日でも早く快適な生活を取り戻していただけるよう願っております。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで全身の代謝が異常に高まり、様々な症状を引き起こす「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)」の代表的な疾患です。
特に20〜40代の女性に多くみられ、日本では甲状腺機能亢進症の約7割を占めるとされています。バセドウ病の最大の特徴は、自己免疫疾患であるという点です。本来、体を守るはずの免疫システムが誤って自分の甲状腺を攻撃し、「TSH受容体抗体(TRAb)」という抗体を作り出します。
この抗体が甲状腺を刺激することで、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されるようになります。過剰なホルモンによって、動悸、発汗、手の震え、体重減少、疲労感、不眠、イライラなどの症状が現れます。発見が遅れると心臓への負担が増し、不整脈や心不全を引き起こすリスクもあるため、早期診断と治療が非常に重要です。
なぜ免疫異常が起こるのか、明確な原因は解明されていませんが、遺伝的要因、ストレス、感染症、出産後のホルモンバランスの変化などが発症の引き金になると考えられています。
家族に甲状腺疾患をもつ方がいる場合は、リスクがやや高まることも知られています。バセドウ病は適切な治療によりコントロール可能な疾患です。
症状に心当たりのある方は、早めに内科や内分泌科を受診し、血液検査と超音波検査による診断を受けることをおすすめします。
→ バセドウ病治療なら自由が丘にある世田谷内科・糖尿病総合クリニックにお任せください
バセドウ病の治療を始めたばかりの方や、診断を受けたばかりの方の多くが「普段通りの生活をしてよいのか?」「何か控えるべきことはあるのか?」と不安を感じてしまうことでしょう。
バセドウ病は甲状腺ホルモンの過剰分泌によって全身にさまざまな影響を及ぼす病気であるため、治療と並行して日常生活で気を付けるべき生活習慣があります。
無理をしてしまうと治療効果が薄れたり、症状が悪化したりする可能性もあるため、正しい知識を持って生活習慣を見直すことが大切です。ここでは、バセドウ病の治療中に避けるべき行動や生活上の注意点について詳しく解説していきます。
バセドウ病の治療を進めるうえで、日々の食生活は極めて重要です。
薬物療法だけでなく、体内のホルモンバランスを整えるためには、栄養素の過不足を防ぎ、内臓に負担をかけない食習慣を意識することが欠かせません。
症状の悪化や再発を防ぎ、より早い回復を目指すためにも、バセドウ病と診断された方は、日常の食事内容を見直すことをおすすめします。
ここでは、治療中に気をつけたい食生活のポイントを詳しく解説していきます。
海藻類の制限はありませんが、過剰摂取には気をつけてください。
甲状腺の病気で気を付けるべき食品で有名なものはヨウ素を含む海藻類です。体の中に入ったヨウ素は甲状腺に取り込まれ、甲状腺ホルモンの材料になりますのである程度の量のヨウ素は必要です。
しかし、必要以上の多量のヨウ素を摂取すると甲状腺の組織が破壊され、橋本病(慢性甲状腺炎)が発症する可能性があります。厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、ヨウ素の一日推奨摂取量は0.13mg、上限を3mgと定めています。日本人は海藻や魚介類を豊富に含む食文化のおかげで、多くの場合、毎日約1~3mgのヨウ素を摂取しており、通常の食生活で十分なヨウ素が確保されています。
甲状腺機能低下症の患者さんでは昆布、ヒジキ、もずくなどは少し気を付ける必要があります。
バセドウ病患者がアルコールを摂取すると、心拍数の増加や動悸、不安感などの症状が悪化する可能性があります。また、アルコールは肝臓に負担をかけ、抗甲状腺薬の代謝にも影響を与えることが懸念されます。
特に甲状腺機能が亢進している状態では、アルコールの影響を受けやすくなるため、飲酒は控えるべきです 。治療中は、アルコールの摂取を最小限に抑えるか、医師と相談の上、適切な量を守るようにしましょう。
バセドウ病では、甲状腺ホルモンの過剰分泌により基礎代謝が亢進し、食欲が増進する一方で体重が減少することがあります。
しかし、治療が進むにつれて代謝が正常化すると、以前と同じ食事量でも体重が増加しやすくなります。
そのため、治療中は適切なカロリー摂取を心がけ、標準体重を維持することが重要です。また、バランスの取れた食事を心がけ、過度な食事制限や過食を避けるようにしましょう。
バセドウ病の治療中は、ビタミンB群やミネラル、カルシウムなどの栄養素が不足しがちです。特に、ビタミンB群はエネルギー代謝に関与し、カルシウムは骨の健康維持に重要です。
これらの栄養素を含む食品を積極的に摂取し、栄養バランスの良い食事を心がけましょう 。また、加工食品やインスタント食品の過剰摂取は避け、自然な食材を中心とした食生活を送るようにしましょう。
甲状腺機能が亢進していると、発汗が増加し、体内の水分が失われやすくなります。
脱水を防ぐためにも、こまめな水分補給が必要です。特に、運動時や暑い季節には意識的に水分を摂取し、体調管理に気を付けましょう。
ただし、心疾患や腎疾患などの合併症がある場合は、水分摂取量について医師と相談することが重要です。
バセドウ病の症状には、動悸や不安感、手の震えなどが含まれます。
カフェインや辛い食べ物などの刺激物は、これらの症状を悪化させる可能性があるため、摂取を控えることが望ましいです 。また、刺激物は睡眠の質にも影響を与えるため、治療中は特に注意が必要です。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって引き起こされる自己免疫疾患であり、適切な治療を受けることで多くの方が症状をコントロールし、通常の生活を送ることが可能です。
しかし、治療中は甲状腺ホルモンの影響で体が非常に敏感な状態になっており、日常生活の中でもいくつかの注意すべき行動や習慣があります。
とくに、過度なストレスや肉体的負担、薬の自己調整、喫煙などは症状の悪化や再発のリスクを高める可能性があります。
バセドウ病は内服治療や手術・放射線治療などにより甲状腺ホルモンのバランスを整えることが基本となりますが、その効果を最大限に引き出すためには、患者さんご自身の生活習慣の見直しが欠かせません。
ここでは、治療効果を高めるために日常生活で意識すべきポイントや、避けるべき習慣について詳しく解説していきます。
バセドウ病は自己免疫疾患の一種であり、ストレスが症状の悪化に大きく影響することが報告されています。
ストレスは交感神経を優位にし、心拍数の増加や不安感、ホルモンバランスの乱れを招くことがあり、甲状腺ホルモンの異常分泌がさらに悪化することがあります。
治療中は精神的・肉体的に無理のない生活を意識し、職場や家庭で過剰な責任や負担を感じる環境には注意が必要です。必要に応じて主治医と相談のうえ、休職や業務の調整も検討しましょう。
適度な運動は可能ですが、激しい運動は治療を始めて症状が緩和されるまでは避けた方がよいです。
回復速度は人により個人差がありますが、大体2〜3か月ほどで甲状腺機能が改善してきます。強度が高い運動はその後行うようにしましょう。
普段から運動習慣がある人は、数カ月間空けると筋力が低下していることもあります。いきなり以前と同じ運動をするとケガなどの原因になります。少しずつ運動強度を上げていくように心がけてください。
バセドウ病に伴う眼症状(甲状腺眼症)は喫煙と深い関連があることが知られています。
喫煙によって眼球後部の炎症が悪化し、眼球突出や視力障害を引き起こすリスクが高まるとされており、禁煙は甲状腺眼症の進行抑制にも有効です。
また、喫煙は抗甲状腺薬の効果を低下させる可能性もあるため、治療効果の最大化のためにも禁煙を強く推奨します。
バセドウ病の治療中に出血を伴う医療処置を行うことは出来るだけ避けるようにしましょう。
抗甲状腺薬(メチマゾール〈メルカゾール〉やプロピルチオウラシル〈PTU〉など)の副作用として、白血球や血小板の異常がまれに発生し、出血傾向が強まるリスクがあります。
抜歯や注射、美容医療などの比較的軽い処置であっても、術後の出血が長引く可能性があるため注意が必要です。特に無顆粒球症の兆候がある場合には、感染症のリスクも高まります。医療処置の前には、必ず主治医に相談し、必要に応じて血液検査(CBCなど)で現在の体調を確認しましょう。
また、施術を受ける医療機関にも服薬内容を伝えておくことが、安全な処置のためには不可欠です。
症状が軽快したからといって、自己判断で薬を中断するのは非常に危険です。
抗甲状腺薬はホルモンの過剰な産生を抑制するものであり、突然中止するとホルモンバランスが急激に崩れ、再発や悪化を招く恐れがあります。
医師の指示に従い、血液検査でホルモン値を確認しながら段階的に薬を減量・中止する必要があります。
バセドウ病を治療せずに放置すると、軽度な不調から命に関わる深刻な合併症まで、様々な健康リスクを引き起こす可能性があります。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気であり、心臓や骨、筋肉、精神面にまで影響を及ぼします。
もっとも注意すべき合併症のひとつが「甲状腺クリーゼ(thyroid storm)」と呼ばれる、命に関わる急性の状態です。
これは甲状腺ホルモンが急激に過剰となることで、重度の発熱、頻脈、意識障害、嘔吐、下痢、脱水、心不全などを引き起こし、緊急治療が必要です。放置されたバセドウ病が感染症や手術、外傷、ストレスなどのきっかけで一気に悪化すると、発症のリスクが高まります。
また、慢性的に高い甲状腺ホルモンの状態が続くと、心臓への負担が増え、心房細動や心不全を引き起こすことがあります。心房細動は脳梗塞のリスクも高めるため、特に中高年では重篤な合併症につながりかねません。さらに、骨代謝が過剰に亢進されることで骨粗しょう症を進行させ、骨折のリスクも高まります。
眼の症状(バセドウ病眼症)も進行することがあり、まぶたの腫れ、眼球突出、視野障害や複視といった視覚の問題が悪化する可能性もあります。特に喫煙者は眼症の進行リスクが高く、早期治療が推奨されます。
このように、バセドウ病は「放っておけば自然に治る」という性質の病気ではありません。症状が軽くても専門的な治療を受け、適切な生活管理を行うことで、これらのリスクを防ぐことが可能です。少しでも気になる症状がある方は、早めの受診を強くおすすめします。
バセドウ病は、正しい治療と生活習慣の見直しにより、症状を大きく改善できる疾患です。
しかしその反面、治療を怠ったり、自己判断で生活を続けてしまうと、合併症や再発といったリスクを招くことにもなりかねません。日常生活で避けるべきこととして、過剰なヨウ素の摂取、激しい運動、喫煙、ストレス、出血を伴う医療処置を避けるなどをしっかり徹底し、一つひとつ丁寧に気をつけることが、治療効果を高め、再発を防ぐためには重要です。
また、現在の治療方針に不安を感じている方や、もっと納得したうえで治療を進めたいという方には、世田谷内科・糖尿病総合クリニックでのセカンドオピニオンをおすすめします。
当院では、甲状腺疾患に精通した専門医が、患者様一人ひとりに寄り添った診療を行っております。ぜひお気軽にご相談ください。