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2026/01/10

家族が胃腸炎と診断された、あるいは胃腸炎が疑われる状況になったとき、多くの方が悩むのが「同じ部屋で寝ても大丈夫なのか」「一緒に生活して感染しないのか」という点ではないでしょうか。
とくに介護や看病をしている立場の方が胃腸炎に感染してしまうと、共倒れになりかねず、日常生活にも大きな支障をきたします。
胃腸炎は大きく分けて、感染性胃腸炎と非感染性胃腸炎の2種類があります。まず安心していただきたいのは、非感染性胃腸炎(薬の副作用やストレスなどが原因の場合)は、他人にうつることはありません。
一方で、感染性胃腸炎にはウイルス性と細菌性があります。細菌性胃腸炎は、主に食べ物を介して発症することが多く、空気感染を起こす可能性は低いとされています。注意が必要なのは、ウイルス性胃腸炎です。
では、ウイルス性胃腸炎の患者が家族にいる場合、同じ部屋で寝ることで空気感染する可能性はあるのでしょうか。部屋を分けられない場合や、日常生活を共にする中で気をつけるべき対策や注意点について、わかりやすく解説します。

それではウイルス性胃腸炎はどのようにして人から人へ感染するのでしょうか?
まず始めに「ウイルス性=必ずうつる」という印象を持たれがちですが、実際にはウイルスの種類によって感染力に大きな差があります。
たとえば、ノロウイルスは極めて少量(数十個程度)でも感染し、家庭内・施設内で集団感染を起こしやすい代表的なウイルスです。一方で、ロタウイルスやアデノウイルスは、主に乳幼児に多く、成人では症状が軽い、あるいは感染しても発症しないこともあります。
家族がウイルス性胃腸炎と診断されたからと言ってむやみに怖がったり拒絶する必要はありません。
ただし、感染力が高いウイルスの場合は、空気感染する必要はあります。咳やくしゃみ自体で直接感染する「飛沫感染」は一般的ではありません。しかし、感染者の吐いたものなどが原因で二次的に空気感染をするリスクがあります。
まず、家族がウイルス性胃腸炎と診断された場合、気を付けるべきは換気と消毒、そして清潔な状態を保つことです。要するにウイルスが嫌がる環境をつくることがポイントになります。
以下のチェックリストに沿って住環境を整えていきましょう。
ウイルス性胃腸炎は、症状だけでは断定できません。
下痢や嘔吐、腹痛、発熱といった初期症状は、食あたりやストレス性胃腸炎とも似ています。しかし、ウイルス性だった場合の感染力は非常に強く、初動の遅れが家族全員への二次感染につながることがあります。
そのため、診断がつく前であっても「うつる可能性がある」と考えて行動しましょう。特に同居家族が多い場合や、小児・高齢者がいる家庭では、慎重すぎるくらいの対応がちょうどよい塩梅かもしれません。

ウイルス性胃腸炎で最も感染源になりやすいのが、嘔吐物と便です。
ノロウイルスなどは、乾燥した嘔吐物から空気中に舞い、吸い込むことで感染することもあります。
掃除のやり方を誤ったり怠ると、一気にウイルスを拡散させてしまう危険があります。必ずマスクなど防護をし、素早く、正しい方法で処理するようにしましょう。
ウイルス性胃腸炎が疑われる場合、同じ空間で長時間過ごすこと自体が感染リスクになります。
とくに寝室は、換気が不十分になりやすく、寝具や手指を介した接触も増えるため要注意です。
可能であれば患者専用の部屋を用意し、生活動線を分けることで、家庭内感染の確率を大きく下げることができます。

ウイルス性胃腸炎の主な感染経路は、経口感染です。
嘔吐物や便に含まれるウイルスが手に付着し、無意識に口や鼻、目を触ることで感染が成立します。自覚がなくても人は頻繁に顔に触れているため、手指が汚染された状態は非常に危険です。
注意したいのは、アルコール消毒だけでは不十分な場合がある点です。ノロウイルスなどはアルコールに強く、基本となる対策は石けんと流水による手洗いです。
指先や爪の間まで意識し、30秒以上丁寧に洗いましょう。手洗い後は共用タオルを避け、使い捨てペーパーを使用することが重要です。
さらに、ドアノブやスイッチ、蛇口、スマートフォンなど、よく触れる場所の消毒も欠かせません。症状が軽くなってもウイルス排出は続くため、治りかけの時こそ対策を緩めないことが、家庭内感染を防ぐポイントになります。

ウイルス性胃腸炎は、嘔吐物や便に含まれるウイルスが空気中に拡散したり、寝具や手指を介して口に入ることで感染が広がります。
特に就寝中は長時間同じ空間で過ごし、無意識に咳や寝返り、手で顔を触る行動が増えるため、感染リスクが高まりやすい時間帯です。
また、夜間の突然の嘔吐によって、ウイルスが寝室全体に飛散することもあります。
可能であれば患者専用の部屋を用意し、寝具や空調を分けることで、家族への二次感染を大きく減らすことができます。
どうしても同室になる場合でも、距離を取る、マスクを着用する、換気を徹底するなど、感染を前提とした対策を徹底した方がよいでしょう。
家庭内感染を防ぐうえで、寝室を分ける判断は最も効果的な対策の一つと言えるでしょう。

ウイルス性胃腸炎について「感染するかどうか」「同じ部屋で寝ても大丈夫か」といった基本的な不安はある程度解消されたかと思います。
しかし実際の生活では、症状が落ち着いてきた後の過ごし方や、トイレ・お風呂・洗濯など細かな場面での判断に迷う方が非常に多いです。
また、子どもや高齢者がいる家庭では、「どこまで気をつければいいのか」「受診の目安は何か」といった疑問も尽きません。
ここでは、記事本文ではあえて触れなかったものの、来院前相談やご家庭からよく寄せられる質問を中心に、ウイルス性胃腸炎に関するFAQをまとめました。
嘔吐や下痢といった症状が治まると、「もう大丈夫だろう」と途中で換気、消毒などを徹底しなくなることがあります。
ウイルス性胃腸炎では症状が消えてからも一定期間ウイルスが体外に排出され続ける可能性があります。特にノロウイルスでは、症状消失後も数日から1週間程度、便中にウイルスが検出されることがあります。
そのため、最低でも症状が完全に消えてから2〜3日間は、手洗いやトイレの消毒など基本的な感染対策を継続することが望ましいとされています。
体調が戻ったからといって急に生活を元に戻すのではなく、段階的に通常生活へ戻すようにしましょう。
発症直後で嘔吐や強い下痢、発熱がある場合は、無理に入浴する必要はありません。体力を消耗し、転倒や症状悪化の原因になることもあります。
症状が落ち着いてきた段階で、まずは短時間のシャワーから再開するのが一般的です。
その際、タオルやバスマットは必ず家族と分けるようにしましょう。浴槽に浸かる場合も、入浴後の浴室清掃や換気を行うことで、環境中のウイルス残存リスクを下げることができます。
可能であれば、患者の衣類や寝具は分けて洗濯するのが理想です。特に下着や嘔吐・便が付着した可能性のある衣類は注意が必要です。
ただし、家庭環境によっては分けられない場合もあります。その場合でも、通常の洗濯で感染リスクが極端に高まるわけではありませんが、洗濯後に洗濯槽の簡単な清掃を行い、洗濯物を扱った後の手洗いを徹底するとよいでしょう。
軽症の場合、市販の整腸剤などで症状が和らぐこともあります。ただし、自己判断には注意が必要です。
特に下痢止めは、ウイルスの排出を妨げて症状を長引かせる可能性があるため、安易な使用はおすすめできません。症状が強い、長引く、水分が取れないといった場合は、医療機関を受診しましょう。
嘔吐や下痢が完全に治まり、体力が回復してからが目安です。
症状が残った状態での復帰は、本人の負担だけでなく、周囲への感染リスクも高めます。特に食品を扱う仕事や集団生活の場では、慎重に判断しましょう。

最近、なんとなく体調がすぐれない。胃がムカムカする、吐き気が続く、食欲が出ない。そんな違和感を感じていませんか。胃腸炎の初期症状は軽く、はっきりしないことが多いため、「少し様子を見よう」と放置さる人も少なくありません。
しかし、早い段階で適切な診察を受けることで、症状の悪化や長期化はもちろん、知らず知らずにご家族やご友人も巻き込んでしまうことになりかねません。
世田谷内科・糖尿病クリニックでは、胃腸の不調はもちろん、感染症や全身状態を踏まえた丁寧な診察を行っています。
気持ち悪さが続く、いつもと違うと感じたら、我慢せず早めの受診をご検討ください。

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