幹細胞エクソソームで糖尿病が改善?治療の仕組みと流れ

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幹細胞エクソソームで糖尿病が改善?治療の仕組みと流れ

幹細胞エクソソームで糖尿病が改善?治療の仕組みと流れ

糖尿病は、いまや世界で4億人以上が抱えるとされる生活習慣病であり、日本でも年々患者数が増え続けています。

血糖値のコントロールがうまくいかず、合併症を引き起こしてしまうと、腎症や心血管疾患など命に関わるリスクも高まります。

そんな中、再生医療の分野で注目を集めているのが「幹細胞エクソソーム」を活用した新たな治療法です。エクソソームとは、幹細胞から分泌されるごく微小な物質で、細胞間の情報伝達を担い、傷ついた細胞の修復や炎症の抑制などを促す作用があると報告されています。

研究では、幹細胞エクソソームを応用することで糖尿病の根本的な改善や合併症予防に役立つ可能性が示されており、従来の薬物療法とは異なるアプローチとして期待が高まっています。

本記事では、幹細胞エクソソームがどのようにして糖尿病を改善するのか、その仕組みと治療の流れをわかりやすく解説します。

糖尿病とは?その原因と難病と言われる理由

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く病気です。

主に、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが弱まったり、分泌そのものが減ったりすることで起こります。インスリンは血糖を細胞内に取り込む役割を担っており、その働きが十分でないと血糖が血中にあふれ、さまざまな臓器に負担をかけてしまいます。

糖尿病には主に1型と2型があり、日本では生活習慣に起因する2型糖尿病が全体の約95%を占めています(厚生労働省・令和元年国民健康・栄養調査)。

糖尿病は初期に自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行して合併症を引き起こす点から「サイレントキラー」とも呼ばれています。

一度発症すると完治は難しく、血糖管理を一生続ける必要があることから、難病性の高い疾患とされています。

➤ 糖尿病の初期症状について

血糖コントロール不良がもたらす合併症リスク

血糖コントロールが不十分な状態が続くと、体内の血管や神経に大きなダメージを与える可能性があります。

代表的な合併症として、糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害の「三大合併症」があります。

網膜症は視力低下や失明につながり、腎症は慢性腎不全を引き起こして人工透析が必要になる場合があります。神経障害では手足のしびれや感覚低下が生じ、進行すると壊疽(えそ)による足の切断が必要になることもあります。

さらに、動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる疾患のリスクも高まります。実際、糖尿病患者はそうでない人に比べ、心血管疾患の発症リスクが約2〜3倍高いと報告されています(日本糖尿病学会)。

このように糖尿病は、放置すれば全身のあらゆる臓器に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

既存の治療法(薬物・インスリン)とその限界

現在主流となっている糖尿病治療は、生活習慣の改善と薬物療法、そして必要に応じてインスリン注射を行うというものです。

薬物療法では血糖値を下げる経口薬(メトホルミンなど)やGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬などが使われ、インスリン分泌の補助や糖の再吸収抑制によって血糖をコントロールします。

しかし、これらの治療はあくまで「症状を抑える」対症療法であり、病気の根本的な原因である膵β細胞の機能低下そのものを回復させるものではありません。

そのため、長期的には薬の効果が弱まることもあり、追加投薬やインスリン依存が進むケースも少なくありません。また、薬の副作用や体重増加、低血糖発作なども課題となっています。

こうした限界から、根本治療を目指す新たなアプローチとして幹細胞エクソソーム治療に注目が集まっています。

幹細胞エクソソームとは何か?基本的な役割と働き

幹細胞エクソソームとは何か?基本的な役割と働き

そもそもエクソソームとは何でしょうか?

エクソソームとは、細胞から分泌される直径30〜150ナノメートルほどの非常に小さな「膜で包まれた小胞(しょうほう)」のことです。

顕微鏡でも見えないほど微細ですが、細胞同士の「情報伝達役」として重要な働きを担っています。中にはタンパク質や脂質、メッセンジャーRNA、マイクロRNAなどが含まれており、これらが他の細胞に取り込まれることで、その細胞の働きを変化させたり修復を促したりします。

つまりエクソソームは、細胞が自らを修復・再生するための指令書のような役割を果たしているのです。

とくに、幹細胞から分泌される「幹細胞エクソソーム」には、損傷した細胞を修復し、新しい細胞の再生を促す因子が豊富に含まれています。

幹細胞そのものを移植する治療では拒絶反応や腫瘍化のリスクが問題視されますが、エクソソームは細胞核を含まないため、そうしたリスクが非常に低いとされています。

また、炎症を抑える作用や血管の新生を促す作用も報告されており、近年は再生医療の分野で「幹細胞を使わない再生因子治療」として世界的に注目されています。

こうした性質により、幹細胞エクソソームは糖尿病をはじめ、さまざまな慢性疾患や加齢性疾患の根本治療に応用できる可能性があると考えられています。

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幹細胞エクソソームが糖尿病改善に効果がある?

幹細胞エクソソームが糖尿病改善に効果がある?

これまでの糖尿病治療は、血糖を一時的に下げたり、インスリンを外から補充したりする「対症療法」が中心でした。

一方、幹細胞エクソソームは、病気の根本原因に働きかける可能性があると考えられています。

幹細胞由来エクソソームには、損傷した細胞の修復や新しい血管・組織の再生を促す成長因子やマイクロRNAが豊富に含まれており、これらが膵臓や肝臓、血管内皮など糖代謝に関わる臓器に作用することで、根本的な機能改善をもたらす可能性があるのです。

動物実験では、エクソソーム投与によって高血糖状態が改善したという報告もあり、今後の臨床研究で実用化が期待されています。

膵β細胞の再生促進とインスリン分泌機能の回復

糖尿病の発症には、膵臓にある「膵β(ベータ)細胞」の機能低下が大きく関わっています。

膵β細胞は血糖を下げるホルモンであるインスリンを分泌する細胞ですが、糖尿病ではこれらが傷つき、数が減少することで血糖コントロールが難しくなります。

幹細胞エクソソームには、膵β細胞の再生を促す成長因子やマイクロRNAが含まれており、損傷した細胞に取り込まれることで遺伝子発現を変化させ、細胞の増殖や再生を活性化する作用があると考えられています。

実際に、米国糖尿病学会(ADA)に報告された前臨床試験では、幹細胞エクソソームを投与した糖尿病モデルマウスで膵β細胞の数が増え、インスリン分泌量も有意に回復したことが示されました。

このようにエクソソームは、糖尿病の根本原因そのものに働きかける可能性を持っています。

慢性炎症を抑える抗炎症作用

糖尿病、とくに2型糖尿病では、肥満や高血糖の影響で全身に「慢性炎症」が起きていることが知られています。

慢性炎症は膵β細胞の機能をさらに低下させ、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)を悪化させるため、病状の進行に大きく関わっています。

幹細胞エクソソームには、炎症を引き起こすサイトカイン(炎症性たんぱく質)の産生を抑制し、逆に炎症を鎮める抗炎症性サイトカインの産生を促す作用が報告されています。

国際誌『Stem Cell Research & Therapy』に掲載された研究でも、幹細胞エクソソーム投与によって糖尿病モデル動物の血中炎症マーカーが低下し、インスリン感受性が改善したことが示されています。

炎症が抑えられることで、膵β細胞が攻撃されにくくなり、結果的にインスリン分泌機能の保護にもつながると考えられています。

糖尿病性腎症・心血管疾患など合併症の改善効果

糖尿病は、長期的に続く高血糖によって血管が傷つき、腎臓や心臓、神経など全身にさまざまな合併症を引き起こします。

特に糖尿病性腎症は、日本の透析導入原因の第1位であり、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクも2〜3倍に高まるとされています(日本腎臓学会)。幹細胞エクソソームには、損傷した血管内皮細胞や腎臓の糸球体細胞を修復し、新しい血管の形成(血管新生)を促す作用があると報告されています。

また、心筋に対しても細胞死を防ぎ、線維化を抑制する効果が動物研究で示されています。

実際、糖尿病性腎症モデル動物に幹細胞エクソソームを投与した研究では、腎機能マーカーの改善や蛋白尿の減少が見られました。

こうした作用により、エクソソームは糖尿病そのものだけでなく、命に関わる合併症の予防や進行抑制にも有効であると期待されています。

 エクソソーム治療はまだ糖尿病で実用化されていない

幹細胞エクソソームは、膵β細胞の再生促進や炎症の抑制、合併症の予防など、糖尿病に対して多方面から働きかける可能性があるとして世界的に注目を集めています。

糖尿病治療の「未来を変える可能性がある」とされていますが、研究段階であり、糖尿病に対する正式な医療行為としてはまだ承認されていません。

現時点では動物実験や前臨床試験が中心であり、人間を対象とした大規模な臨床試験はまだ限られています。つまり「糖尿病がエクソソームで治る」と断言できるだけの科学的根拠は、いまだ十分ではありません。

また、日本を含む各国でも薬事承認はされておらず、医療機関で受けられる場合も自由診療(自費診療)として提供されているのが現状です。

施設によって品質や安全性に大きな差があるため、安易に飛びつくのではなく、必ず信頼できる医療機関で十分な説明を受けたうえで検討することが大切です。

世田谷内科での幹細胞エクソソーム治療の特徴とご紹介

糖尿病は一度発症すると一生付き合っていく必要のある病気ですが、早期に適切な治療や予防を行うことで、合併症のリスクを大きく減らすことができます。

幹細胞エクソソーム療法は、まだ研究段階の新しい選択肢ではありますが、従来の薬物療法とは異なるアプローチで、糖尿病の根本的な改善や合併症の予防に役立つ可能性があると注目されています。

私たち世田谷内科糖尿病総合クリニックでは、エクソソーム療法をはじめとした先端的な自由診療にも取り組みながら、患者さま一人ひとりの健康を長期的にサポートしています。

当院(世田谷内科糖尿病総合クリニック)では、再生医療の最前線として注目される「幹細胞エクソソーム療法(幹細胞培養上清液)」を導入しています。

歯髄・骨髄・脂肪・臍帯血という4種類のヒト幹細胞由来エクソソームを複合して使用することで、それぞれの細胞が持つ特性を活かし、より幅広い効果を目指しています。

また、7800億個以上のエクソソームを含有する「max NFC」仕様を採用し、ドナーの厳選やロット差を抑える製造工程によって、高濃度かつ安定した品質を実現しています。

投与方法も、点滴をはじめ注射や点鼻など複数から選べるため、目的や体調に合わせて柔軟に対応できる点も大きな特徴です。

美容面のエイジングケアはもちろん、疲労回復や免疫力の向上、慢性疾患の予防や改善など、全身の健康を支える治療として多くの方にご利用いただいています。

幹細胞エクソソーム点鼻療法
幹細胞エクソソーム点滴療法

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